1) キャリアアップ
国際的な職場でのコミュニケーションだけでなく、英語力はキャリアアップに欠かせません。大多数の従業員が英語力は収入の向上につながると考えており、80%が将来の収入を決める重要な要素であると回答しています。
2) スキルギャップを埋める
さらに、学校教育で習う英語とビジネスで必要とされる英語との間にはギャップがあることが明らかになっています。従業員の職場環境に合ったビジネス英語研修を通じて英語力を高めることで、従業員はそれぞれの役割でより活躍でき、企業は成長を加速することができます。
3) ビジネスで英語を使う自信を高める
リスニング、リーディング、スピーキング、ライティングの4技能すべてを自身の職務で十分に使いこなせる自信があると感じている従業員は、わずか25%しかいないという統計があります。さらに、学校教育では仕事に必要な英語力を十分に身につけることができなかったという回答は54%にも上ります。学校教育とビジネスで必要とされる英語力との間にこのようなギャップがある中、ビジネスに合わせた英語研修が急務となっています。
4) 従業員のエンゲージメントと満足度の向上
10人中9人の従業員が「雇用主が語学研修を開発・提供することは重要」と考えているにもかかわらず、実際に提供されているのはわずか3分の1です。この状況はピアソンが2022年に実施した他の調査とも一致しており、60%以上の企業が語学研修やその戦略を持っていないことが明らかになっています。
Gallup社によると、世界中の従業員のうち仕事に積極的に取り組んでいるのはわずか23%で、10人に6人は「静かな退職」(心理的に仕事から距離を置いている状態)をしています。Gallup社は「静かな退職」が世界経済に与えるコストは毎年約8兆8000億ドルにのぼると試算しています。では、ピアソンの調査への回答者は、自身の仕事にどの程度満足しているのでしょうか?
全体では77%が現在の職務に非常に満足しているかやや満足していると答えた一方で、データを詳しく見てみると仕事の満足度と英語力の間には明確な相関関係があり、英語力が最も低い人と最も高い人の間には仕事への満足度に24ポイントの差があることが分かりました。学習と能力開発は多くの従業員にとって優先事項であり、特に若い世代(Z世代とミレニアル世代)にとって重要です。94%の従業員が、雇用主が研修や能力開発に投資するならより長く会社に留まると答えています。
5) 競争力を高める
課題は多いものの、語学力の向上には大きな見返りがあります。フィリピンのMicroSourcing社で採用部門の副部長を務めるKris Lynne D. Tinaza氏は、従業員の能力を強化しグローバル市場での競争力を高める手段として、語学研修に注力するよう企業に勧めています。
「英語、特にスムーズにコミュニケーションできる能力は、依然として雇用主が最も求めるスキルです。私がリクルーターになった2004年当時、"ネイティブレベルの人材"は"最高のタレント"とみなされていました。現在ではさまざまな業界のクライアントの80%が、単純作業から専門知識が求められる職務まで優れたコミュニケーション能力を優先しています」
6) 従業員の学習意欲を活用する
語学学習アプリ、オンラインコース、魅力的なソーシャルメディアのコンテンツなどを通して行う自己学習の人気は、オンラインゲームやチャットルームなどハイテクな方法で語学力を磨くことを好む傾向があるZ世代の従業員の間で高まっています。このような最新ツールは、従業員の能力を向上するための戦略に柔軟かつ体系的な形で語学学習を組み込む絶好の機会となります。
サウジアラビアEduGuide社のCEO、Isaac Johnson氏は次のように語っています。
「世界中で英語研修がこれほど求められている時代はありません。特にサウジアラビアでは、国の将来に向けて掲げる「ビジョン 2030」の目標に不可欠なスキルとなっています。テクノロジーを活用して学習をパーソナライズ化する質の高い英語研修は、あらゆる人事部や教育機関の標準になるはずです」
ポータブルスキル(働く場所や職種が変わっても持ち運べる能力)に投資する
仕事のために英語を学ぶことは単なるスキルアップではなく、従業員の職業人としての人格や私生活にも影響を与える変革的な投資です。この変革は、国際的なコミュニケーションやコラボレーションの向上、そして人間関係の強化につながります。
デ・ラ・サル大学ダスマリニャス校の言語学習の代表であるAngeline Verzosa-Cayago博士は、次のように述べています。
「学生や教師だけでなく、雇用主や従業員も英語学習に関心を持つべきです。英語力は、プロフェッショナリズムを培い、専門的かつ国際的な関係を築く上で重要な役割を果たします。そのため、英語力のレベルはさまざまな状況の中で効果的にコミュニケーションできる人材の能力を具体的に見極める上で、大変重要な指標です」
7) 職場の人間関係の強化
十分な研修を受けることで自信と満足を得た従業員は、ビジネスの収益性の向上に直接的に貢献します。スタッフやチームメンバーの英語が上達し自身の職務に満足すれば、組織全体にポジティブな波及効果が生まれるでしょう。語学に堪能であるということは、チーム内のコミュニケーションが円滑で誤解の余地が減り、グローバル・パートナーとのプロジェクトでより効率的なチームワークを実現できるということです。実際、31%がより良い職場関係を築くために英語を学んでいます。
さらに、より幸せな従業員は仕事に対する意欲が高く、離職率の低下や採用コストの削減につながります。
8) 離職率の低下と定着率の向上
Society for Human Resource Management (SHRM)の調査によると、研修や社内システムに慣れるための時間やリソースを除いても新規雇用にかかる平均コストは4,700ドルを超えます。
この数字だけを見ても、語学研修や能力開発プログラムへの投資は従業員の満足度と定着率を高める手法としてだけでなく、離職に伴う高いコストを軽減する戦略的アプローチとしても重要なことが分かります。
英語力や関連するスキルを優先することで、採用の頻度を大幅に減らし長期的に多額のコストを削減することができます。
これらの8つを組み合わせることで、市場の変化に適応できる俊敏さとレジリエンスを実現し、新たなチャンスを掴むことができます。従業員の満足度と語学力に投資することは単なる経費ではなく、最終的には優れた生産性と収益性の向上を通じてリターンを得る戦略的な方法なのです。
ビジネスリーダーへの呼びかけ
現在、語学研修のメリットを活用するための方法はこれまで以上に明確になっています。従業員の語学力が従来の基準に満たない場合でも、従業員の間の言語能力の多様性を活用して業務の中で学びを促進することもできます。
組織のコミュニケーション能力の開発・向上を目指す人事担当者にとっての賢明な一歩目は、語学力を測る既存の基準を見直すことです。有望な候補者に語学研修を提供すれば、高い投資対効果を得られます。特に、ビジネスで必要となる他の重要なスキルを備えている場合はなおさらです。
英語研修がもたらす変革力を知る
ビジネス英語スキルがビジネスの成長と従業員の能力の向上をどのように促進するかについて詳しく知りたい方は、ピアソンの調査レポート「英語が広げる明日の世界」をご覧ください。本調査レポートには英語力の現状とグローバルビジネス環境に関する重要な洞察が含まれており、人材開発戦略のロードマップにも組み込んでいただけます。
ピアソンンのビジネス支援
ピアソンは、Global Scale of English (GSE)、Pearson English Journey、 Versant by Pearson、Mondly by Pearson など、柔軟で適切なソリューションでお客様のビジネスをサポートします。
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