夏休みに多読をするための6つのコツ
1.目標を設定し、記録をつける。
本、ページ、単語数など、学習者が目標とする読書量を設定することが大切です。目標は高くても、例えば1ヶ月で10万語など、現実的なものにしましょう。読書記録には、それぞれの本について、日付、タイトル、シリーズ、レベル、単語数/ページ数、簡単なコメントを記録させましょう。目標を達成したときの達成感を味わうことができます。可能であれば、読書体験を振り返り、それが英語力の向上にどう役立ったかを考えてもらうとよいでしょう。
2.スクリーンタイムをペーパータイムに置き換える
多くの学習者がオンライン授業に参加しているため、昔ながらの紙の本を読んで目を休ませるようにしましょう。デジタル読書の利便性を好む学習者もいれば、紙の本を好む学習者もいます。夏休みの読書は、自分のペースで本を読むのに良い機会です。
3. 学習者に『narrow reading』をさせる
多読における『narrow reading』とは、同じ著者、同じジャンルの本、あるいは同じ登場人物の読者シリーズを読むことである。学習者は読みながら、文体やジャンル、登場人物に親しみを覚え、理解しやすくなります。例えば、シャーロック・ホームズの物語が好きな学習者なら、グレーデッドリーダーに掲載されているコナン・ドイルの物語をたくさん読めばいいのです。
4.リーディングとリスニングを組み合わせる
グレーデッドリーダーの多くには、CDやダウンロード可能なオーディオトラックが付属しています。まず物語を読ませ、次に読みながら聞くようにします。こうすることで、書かれた単語の音声体系を認識することができるようになります。もし学習者が本当にやる気なら、本の中の文章を「シャドーイング」する練習もできます。リスニングとリーディングの活動記録をつけるようにしましょう。
5.リーディングサークルやリーディングバディプログラムを作る
読書は個人でするものですが、共有するものでもあります。 学習者が物語を共有することで、互いのモチベーションを高めることができます。学習者同士が定期的に集まり、オンラインで自分の物語について話し合う機会を設けましょう。同じ本を読んでもいいし、違う物語を読んでもいい。学習者たちに、読んだ本のタイトル、ページ数または単語数、ちょっとしたコメントやレビューなど、読書記録をつけてもらいましょう。プログラムの最後に、読書とその体験を共有したことを振り返ってもらうと良いでしょう。
6.グレーデッドリーダーの専門性を高める
学習者に読ませる本を読むことで、グレーデッドリーダーの専門知識を身につけましょう。すべてのグレーデッドリーダーが同じように作られているわけではありません。多読に適しているグレーデッドリーダーもあれば、多読に適していないグレーデッドリーダーもあります。例えば、シェイクスピアの劇やギリシャ神話の物語など、登場人物の多い物語を読むのに苦労する学習者もいます。図書館で様々なリーダーを読むことで、学習者が本を選ぶ際に、より良い指導をすることができます。
About the Author

Barry Keith 先生は琉球大学の教授です。全国語学教育学会 (JALT)の Extensive Reading Special Interest Group の前コーディネーター。 M-Readerのグレーデッドリーダーのクイズを1,000問以上作成した経験を持つ熱心な読書家。日本語、中国語、スペイン語、フランス語、ドイツ語の多読をこよなく愛する。
関連リンク
